大判例

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東京高等裁判所 昭和55年(う)1575号 判決

被告人 阿部三男

〔抄 録〕

原判決は、被告人が、<1>昭和五〇年三月三一日新潟地方裁判所新発田支部で、兇器準備結集、住居侵入、暴力行為等処罰に関する法律違反の罪により懲役一年に処せられ、昭和五二年一月二七日右刑の執行を受け終わり、<2>昭和五一年一月二九日新潟地方裁判所村上支部で、道路交通法違反の罪により懲役四月に処せられ、昭和五二年五月二七日右刑の執行を受け終わったことを認定し、被告人の本件各犯行につき刑法五六条一項、五七条により再犯の加重をしているのであるが、原判決が累犯前科の項で掲げる被告人の原審公判廷における供述及び前科照会書並びに当審で取り調べた判決謄本によれば、被告人は、昭和四八年二月一三日新潟地方裁判所長岡支部で、業務上過失致死罪及び道路交通法違反(無免許運転)の罪の併合罪により、前者については禁錮刑を、後者については懲役刑をそれぞれ選択され、重い前者の刑に併合罪の加重をされた刑期の範囲内で禁錮一〇月に処せられ、昭和四八年一二月一二日に右刑の執行を受け終わったことが認められるのであって、右の禁錮刑は刑法五六条三項により再犯例の適用については懲役刑に処せられたものとみなされ、本件各犯行と累犯関係にあるものというべきであり、原判決が累犯前科の項で掲げる被告人の原審公判廷における供述及び各判決謄本によれば、前示<1>及び<2>の各裁判により処罰された罪はいずれも右禁錮刑の執行を受け終わった後に犯されたものである(なお、<2>の裁判で処罰された罪は<1>の裁判で処せられた懲役刑の執行を受け終わる前の犯行である。)ことが認められるから、以上の三個の前科との関係で本件各犯行につき三犯の加重をすべきものである。その意味で、原判決には法令の解釈適用を誤った違法があるか、あるいは累犯となる前科を見落とした事実誤認があるものというべきであるが、再犯の加重たると三犯の加重たるとにより処断刑に差異を来たさないから、原判決の右誤りはいまだ判決に影響を及ぼすことが明らかであるとはいえない。

(新関 下村 小林)

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